2011年3月13日日曜日

福島第一原発(知人からのメール)⑨

Nです。30分前のメールですが転送します。
***
Uです。(20110312 17:05)
福島第一原発をめぐっては、一進一退の状況が続いていますが、
たった今、爆発が起こったという情報が飛び込んできました!
ただなぜどのように起こった爆発かはまだ分かりません。
多数のけが人がでているようです。


それを踏まえてここ数時間の流れを書きます。
すでにセシウムが測定されたことを書きましたが、同時に、ヨウ素も
測定されたそうです。明らかにコントロールできない核分裂が
進行中であり、その結果できた「死の灰」が大気中に出ているわけです。

一方で、懸念されていた水蒸気による圧力の上昇については、
ひとたび、二つ目のベントを開けることができたことによって下がったと
報道されています。これで今すぐ、水蒸気爆発が起こる可能性は
回避されたとひとたび報道されました。

しかし相変わらず、水位が下がり続けていて、さきほどは90センチ
と言われていたものが、1メートル70センチにまで拡大しています。
また蒸発によって水がなくなっているだけでなく、どこからか漏れている
可能性も指摘されていますが、どうも炉心で起こっていること、全体
的に原発で起こっていることが、把握しきれていないようにも
思われます。

このため、部分的にはすでにスリーマイル島事故と同じことが
起こっているという見解もすでに出ているようです。


ともあれいったん水蒸気が出て、格納容器の破裂が回避された
ことは、死の灰が大気中に出たことを差し引いても、最悪の事態の
回避といえると思いますが、しかし今なお冷却水が下がり続けて
いることで、燃料棒の被覆、それだけでなく、その中に
つまっている燃料ペレット(濃縮ウランをペレットにしたもの)までが
溶け出しているというのは大変深刻です。

このまま冷却が進まず、核分裂の暴走が拡大すれば、炉心は
さらに急激に高温になり、残っている冷却水が一気に高温になって
再び格納容器を破壊する可能性が生じるし、また被覆管を
構成する物質は、液化して水分と反応すると水素を発生させるので、
今度は水素爆発の危険性も生まれます。

そうすると格納容器を破壊して、炉内にある放射能が一気に
飛び出すチェルノブイリ型の事故に発展する可能性ありです。
すくなくともその可能性がまだ止められていないということです。


さて万が一にも、大量の死の灰が外に出てしまった場合、何よりも
避けるべきことは放射性ヨウ素の被曝であることを述べましたが、
このことについて、医師サイドのメーリングリストでも、情報が
流れ出しています。

それによると、放射性ヨウ素の影響は若ければ若いほど甚大であり、
反対に非放射性ヨウ素の服用は40歳以上には必要ないという
ガイドラインが出ています。なのでヨウ素が手に入った場合は
まずは子どもからです。ただし量に注意する必要があります。
その点を詳しく説明した下記情報を、参照して下さい。
http://kokai-gen.org/information/6_015-1-1y.html#


さてここまで書いたときにとんでもない情報が飛び込んできました。
福島第一原発付近で、ドンという爆発音がし、煙があがっているそうです。
まだ詳しいことは分かってないそうですが、何らかの爆発につながった
可能性があります。もの凄く深刻です。

NHKでは、緊急回避をするために、爆破弁というものを使ったのでは
ないか、(原子炉の崩壊ではないだろう)という見解を流していますが。
そうだとしてももの凄く追い詰められた対応だと思います。
私たちは最悪のシナリオをみているのかもしれません・・・・。
本当になんとか、収まることを願うばかりです。

以下、爆発音が響く前のいくつかのニュースです

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福島第一原発1号機で炉心溶融の可能性

経済産業省原子力安全・保安院は12日、東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所1号機の原子炉内で、核燃料をまとめた炉心の一部に溶融が起きている可能性が高いと発表した。

周辺2か所の放射能監視で、ウランの核分裂によって生じるセシウム137などが検出された。
セシウム137は放射能の強い放射性物質で、原子爆弾が爆発した際に生じる「死の灰」の成分。核燃料棒に何らかの損傷が起きている証拠と考えられる。

1号機では、原子炉格納容器内の圧力が異常上昇し、圧力を下げるため水蒸気を建屋外に放出する作業が行われているが、放射線量が多く作業は難航していた。冷却水の水位が下がり、燃料棒が露出、空だきのような状態になり、過熱が進んだ可能性がある。

対策としては、冷却水を大量注入する方法があるが、現在、仮設の消防ポンプによる注入にとどまっている。保安院では、自衛隊や米軍にポンプ車などの応援を求めることも検討している。

今回は、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故や、1979年の米スリーマイル島原発事故のように、炉心が溶け落ちるメルトダウン(炉心溶融)には至っていないと見られる。
2011年3月12日14時18分 読売新聞)

福島第一原発1号機、燃料の溶融が進んでいる可能性

2011年3月12日14時22分 朝日新聞
図:沸騰水型の仕組み沸騰水型の仕組み
経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時すぎに記者会見を開き、東京電力福島第一原子力発電所の1号機(福島県大熊町)で、原子炉内の燃料の溶融が進んでいる可能性が高い、と発表した。

放射線医学総合研究所が原子炉敷地内で、燃料中に含まれる核分裂生成物であるセシウムを確認した。
1号機の燃料Aの水位は、マイナス90センチがマイナス170センチまで下がり、燃料が水面から露出しているとみられる。燃料Bの水位についても、80 センチから145センチまで下がっていることが確認されたという。格納容器内の圧力は750キロパスカルが754キロパスカルで、圧力は比較的安定してい る。

炉心溶融は、想定されている原発事故の中で最悪の事態だ。これが進むと、爆発的な反応を引き起こして広く外部に放射能をまき散らす恐れもある。

福島第一原発、弁開放し炉心の圧力低下

2011年3月12日15時43分 朝日新聞
原子力安全・保安院は12日午後3時すぎ、東京電力福島第一原発の1号機の配管の弁を開放した結果、炉心の圧力容器を覆う「格納容器」の圧力が低下し始 めた、と発表した。格納容器内は通常、400キロパスカル(約4気圧)で運転されているが、1号機は大地震による自動停止後、800キロパスカル超の圧力 を記録し、損傷の恐れがあった。
ただ、弁を開けたことで放射性物質のセシウムが外部に漏れるなど、周辺の放射線濃度が高まった。

炉心冷やされていない可能性も 福島第一原発1号機

原子力安全・保安院は12日午後、東京電力福島第一原発の1号機で炉心溶融が起きている場合、2700~2800度に上昇した炉心が冷やされていない可 能性があると説明。そのうえで「(1979年の)米国のスリーマイル島原発事故と同類の事故が起きていると言える」と述べた。



転送者付記:発信者のUさんは原子力の研究者でも技術者でもなく、在野の個人で主に東南海地震における浜岡原 発の事故予測などについて自分で学習されてきた方です。ですので技術者なら断定しないような予想や予測もときには混じるかもしれませんが、それを差し引い ても私は有意義だと思ってみなさんに転送しています。そのあたりはお含みおきください。本当をいえば、Uさんのやってるようなことをメディアがちゃんとや るべきだと思います。原子力の専門家の解説としては、原子力資料情報室(脱原発を目指すNGO)の記者会見をお勧めします。原子炉設計者などによる見解が 逐次発表されています。
原子力資料情報室http://www.cnic.jp/modules/news/



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