こんなコメントをいただきました。
「こんにちは、質問が有ります。これだけ日本中、米の収穫が有るのに稲藁が貴重なのはどうしてなのですかね?
先日、高島市の“畑の棚田”を見てきました、ガードレールなどに脱穀したあとの稲藁が干してあり、あれは何に使うのでしょうか?」
「稲藁が貴重」というのは、「稲藁をすべて田んぼに還している」からです。下の写真を見てください。
コンバインの後部がすこしかすんでいるように見えませんか?ホコリを巻き上げているような感じというか・・・・。
実はこれ、稲藁が細かく裁断されてがコンバインから排出されているのです。コンバインは根本から稲を刈り取り、籾と稲藁とに分けます(脱穀作業)。籾はコンバイン内のタンクに貯められますが、ワラの方はカッターで細かく刻まれてしまい、田んぼに撒かれていきます。ですから稲刈りが終わった田んぼを見ると、5cmくらいに刻まれたワラが一面に敷き詰められていますよ。
もちろんワラも有機物なので、土の中で分解されて、翌年、翌々年の稲の成長に使われることになるので、「捨てている」という表現は正しくないと思われるので「田んぼに還えす」というふうに書いたのです。
昔は手刈りをしていて、籾をつけた状態でイナキで干していたので、ワラも乾燥した状態で手に入りました。ワラ縄はもちろん、草履、ワラジ、雪靴、蓑(今で言う雨カッパ)などワラを材料にして作っていましたし、使役牛の冬場の餌にも使っていました。だからワラは昔も貴重品で、田んぼに還すことすらできなかったのです。
「ガードレールに干されたワラ」はおそらく、しめ縄などを作るための材料や、手刈りをした稲を束にくくるためのワラ(来年の稲刈りの時に使う)などに使うのではないかと思います。
ちょっとした物をくくるときに、ワラは本当にべんりなんですよ。